進化を遂げてきた『Project mirai』シリーズの決定版!

 セガゲームスより2015年5月28日に発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『初音ミク Project mirai でらっくす』。初音ミクを始めとするVOCALOID(ボーカロイド)の楽曲を愛するライター、ウワーマンが本作をひと足先にプレイ! 実際に遊んで感じた本作の魅力を語ります。


■これでもかと要素を詰め込んだ作品

 『初音ミク Project mirai でらっくす』はもともと、『初音ミク Project mirai』シリーズの海外展開のために作られたインターナショナル版。国内ファンからの「日本でも発売してほしい」との要望を受けて発売が決まったタイトルだ。ゆえに、収録楽曲は48曲中の47曲までが『初音ミク Project mirai 2』と同じ。公式で、ゲーム内容について誤解がないよう注意喚起のアナウンスもされている。

 とはいえ、もちろん新たに加わった要素もある。ひと足先に遊ばせてもらった感想をひと言で表すなら、「ボリューミー!」。要するに盛りだくさんということなのだが、わけがわからないと思うので、どの辺がボリューミーなのかちょっとばかり語っていきたい。

『初音ミク Project mirai でらっくす』はまさに“集大成”の1本! 圧倒的なボリューム感を伝えるプレイインプレッション_01
『初音ミク Project mirai でらっくす』はまさに“集大成”の1本! 圧倒的なボリューム感を伝えるプレイインプレッション_02

■楽曲の圧倒的なボリューム感

 楽曲の収録数は前述の通り48曲。そこそこ多い数だ。筆者は各曲でパーフェクトを狙うタイプなので、けっこう骨が折れる数だが……これなら何とかできる範囲ではある。

 しかし本作がすごいのは、“ボタンモード”と“タッチモード”のふたつを収録している点。文字通り前者はX・Y・A・Bボタンや十字ボタンを使い、後者は画面をタッチして遊ぶモード。どちらもプレイ感覚がまったく異なるため、もはや別ゲームの領域に達している

 ゆえに、楽曲数は96曲みたいなもの!

 というのは、少し強引な話かもしれないが、気分的にはそんな感じ。加えて、難度はラクラク、ホドヨク、トコトンの3段階(一部の曲については、特定の条件をクリアーすると、さらに……)を用意。譜面の数で言えば、96曲の3倍以上になるわけなので、やり込み派のうれしい悲鳴が聞こえてきそうなレベルになる。

 さらに言えば、本作の楽曲はすべて“フル尺”で収録。プレイし終えたときの充実感や満足感は、ファン的には筆舌に尽くしがたいものがある。当然ながら「なんだ、ここカットかよ」や「わかってねーな!」などという、不満とはおさらば。まあ、集中力を持続させるうえで「音ゲー用の尺調整って大切なんだな」という思いが頭をよぎらなくもないが……。

 とにかく! これらを総合すると、いかに“ボリューム感がすごい”のか、わかってもらえるのではないだろうか。もちろん、オールパーフェクト狙いは諦めムードである(笑)。

『初音ミク Project mirai でらっくす』はまさに“集大成”の1本! 圧倒的なボリューム感を伝えるプレイインプレッション_11
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 『Project mirai』シリーズを知らない人のために、さらっとゲームシステムを説明すると、本作はライン上に表示されるマーカーの指示に従い、タイミングよくボタンを押したり画面をタッチして楽曲を最後まで終わらせるというシステムを採用している。指示通りにボタンを押せないと、もしくは画面をタッチできないとLIFEが減少し、ゼロになるとゲームオーバーとなる。

 このプレイヤーの視線を釘付けにするラインの存在がなかなかナイスな発明で、背後に流れるPVに埋もれることなく譜面を表示してくれる。何を押せばいいかわからなくてイラッとするシチュエーションは皆無なので、マジで素晴らしい。ボタンモードでは2ラインになって両手を使う場合も多いのだが、ライン上を動くサークルが見やすい形に変化してくれるので心構えをしやすいのもグッドだ。うまく指示通りにできれば、カキーンとかシャキーンとかいった類の効果音が連続で鳴り響いてテンションMAX。めちゃくちゃ気持ちいい。

 ちなみに『でらっくす』では、新たなプレイオプションが多数追加されている。ラインの表示倍率やマーカーサイズなどの細かい調整が可能になり、サークルのスピードやマーカーの密集度を好きなようにカスタマイズできるようになった。これがなかなか絶妙なオプションで、人によっては遊びやすさがかなり変化するのではないだろうか。かくいう自分も、プレイするうえで苦手な『骸骨楽団とリリア』で比較的スムーズにコンボを繋げられるようになってご満悦。やっぱりオールパーフェクトを狙えるかも!

 加えて、“サポート用アイテム”をゲームコインで入手できるようになり、うまく使えば窮地を脱したりミラポを効率的に稼ぐことができる。また、アイテムではないが、個人的には“リトライ機能”が前作同様にサクッと反応してくれるのが最高だった。

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■膨大なコスチュームバリエーション

 PVなどに登場する初音ミクちゃんたちのコスチュームを自由に着替えさせられるのも本作の魅力のひとつ。初登場のものも含めて、コスチュームは110種類以上になっているとのこと。そのまま着替えさせるだけでも十分楽しいが、“服だけチェンジ”を使えばヘアースタイルはそのままに衣装だけチェンジできるので、かなり自由なコーディネートも可能だ。この機能自体は『2』から実装されているのだが、改めていい機能だと実感。曲ごとに設定をキープしておけるため、こだわって1曲ごとにいじくり回していると果てしなく時間が掛かる。

 これらの衣装は、ゲームをプレイして貯めたミラポを使って購入するので収集要素の役割も兼ねている。自分は気に入ったコスチュームをずっと着続けるため、一度にたくさんのバリエーションは必要ないのだが、収集するとなるとなぜか夢中になってしまう。単純である。

 また、オリジナル動画を再現していた『メランコリック』や『マトリョシカ』、『*ハロー、プラネット。』など12曲のPVが、すべてねんどろいどのミクちゃんたちが登場するPVに変更されている。集めたコスチュームの使う機会を増やしてくれるとは、なかなか粋なことをしてくれるではないか。ただ、欲を言えば元のオリジナル動画バージョンも収録してほしかったなーと(笑)。

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■いろいろな遊びがてんこ盛り

 ぶっちゃけリズムゲームだけでもボリュームがあり過ぎて、すべてプレイするのがタイヘンなのに、おまけ要素がたっぷり詰め込まれているのがすごい、というかうれしい。マイルームでくつろぐ彼女たちを眺めてみたり、ARライブを満喫してみたり、短いオリジナルメロディーを作ってみたりなど、細かなものも含めたら枚挙にいとまがないほど。しかも、それぞれに新要素が追加されていたりするから恐れ入る。

 なかでもPVシアターのマイリスト再生機能は個人的に重宝。自分はけっこうな頻度で、好きな楽曲をプレイするのではなく鑑賞するので大助かりだった。いまも仕事用ノートPCの横で、ニンテンドー3DSからピノキオピーの『はじめまして地球人さん』がヘビーローテーションで繰り返し流れている。なお、ひとつのマイリストには80曲くらい詰め込むことができる模様。

 また、『ぷよぷよ39!』と『ミックリバーシ』というふたつのミニゲームが遊べる点も見逃せない。後者は『でらっくす』からの新要素で、いわゆるリバーシが楽しめる。マイルームにいるキャラクターと対戦できるので、気分転換にこれらをプレイしてみるのもいいかもしれない。いい手を打ったときに見せてくれる、かわいいリアクションは必見かも!? いろいろと試してみたいところだ。

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■まとめ 本作はまさに集大成の1本!

 今回はボリューム感を中心に語らせてもらったけど、本当にいろいろな要素が詰め込まれている作品だと再認識。『Project mirai』シリーズは、じつにいい進化を遂げている。『1』のときは正直ビミョーな部分もあったのだけど、『2』からグンとよくなって、『でらっくす』で誰にでも薦められる決定版へと進化を遂げた印象だ。どのモードも細かく配慮が行き届いていて遊びやすい。

 楽曲のラインアップは新旧入り交じっていてセンスのいい選曲。『2』のリファイン版なので、新しめの曲でもわりと昔に公開されたものなのは残念だが、そこはピノキオピーの新曲があるので目をつぶろう。

 また、ボリューム感がなかったとしても、リズムゲーム部分はセガゲームスのタイトルの中でも最高の部類。自分は『Project DIVA』シリーズが大好きだが、ボタンを押す気持ちよさはこちらに軍配が上がる。もし未体験の人がいるならば、『でらっくす』を最初の1作に選んでみてほしい。絶対に気に入るはずだから。


 ちなみに、本日2015年5月13日より、ニンテンドーeショップにて『初音ミク Project mirai でらっくす』の体験版が配信される予定。リズムゲームのお試しプレイができるほか、この体験版を利用することで『初音ミク Project mirai 2』のデータ引き継ぎ設定を行うことが可能。さらに、週刊ファミ通 2015年5月28日号(5月14日発売)に封入されている特典コードを入力すると、製品版で使える“週刊ファミ通オリジナル特典”がゲットできる!(詳しくは公式サイトでチェック) 本記事を読んで「遊んでみたくなった!」という人は、ぜひダウンロードしてみてほしい。

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初音ミク Project mirai でらっくす
メーカー セガゲームス
対応機種 3DSニンテンドー3DS
発売日 2015年5月28日発売予定
価格 4980円[税抜](5378円[税込])
ジャンル リズムゲーム / 音楽
備考 ダウンロード版は4980円[税抜](5378円[税込])